人の成長は直線的ではない

人の成長するる速度は一直線だというイメージがあると思いますが、これはまちがっています。
これは勉強に限ったことではありませんが、人が成長する速度は直線的ではない、ということは覚えておいた方がいいかもしれません。

このことを知っているといないとでは、物事を成し遂げることができるかどうかに大きな違いがでてきます。

どういうことか見ていきましょう。

ある人が学力をのばそうと毎日コツコツと努力して勉強していたとします。
ところが一向に成績は伸びてこない。まわりの友だちはたいした勉強もせずに楽々といい点数をとってくる。ほんとうに心が折れそうになる。

こんなにがんばってるのになんで報われないんだろう。

そう言いたくなることでしょう。

正しいやり方でコツコツと時間をかけてがんばっているのに成果が出ないとしたら
この人のどこに問題があるのでしょう。

ここでは成績の伸びということになりますが、人の成長の歩みというものは、成績に限らず、多くの場合、単純な右肩上がりではないということです。

例えば、部活が剣道部だったとします。毎日毎日、練習に励むけれど一向に上達しない。
指導の先生からは「肩に力が入りすぎている。肩の力を抜きなさい」と言われたとする。言葉の意味はわかるけれど、実感として肩の力を抜くとはどういうことなのかわからない。
それでも、練習を続けていくと、ふとした瞬間に、肩の力を抜くの意味が理解する時がやってきます。
「ああ、肩の力を抜くとはこういうことだったんだな」と。
それを理解した時から、急に上達のステージが上がっていることに気づきます。
まさしく「気づき」を得るわけです。
つまり努力して努力して、努力し続けた先に、成長している自分に気づくものです。

人の成長する歩みは階段を上るように直線的ではなく、成長が停滞する時期を経て急にステップアップするような成長の仕方をしていきます。
大きな目標であればあるほど、がまんの時期も長くなります。つまり力をため込む時期があるのです。
このことを知っていれば、すぐに結果がでなくとも忍耐強くがんばる意味がわかってきます。

多くの人がもう少しで宝の山がすぐそこにあるというのに、あきらめてしまう。
なんともったいないことでしょう。

まとめるとこうなります。

人の成長する歩みは、けっして一直線ではない。やってもやっても結果が出ない停滞する時期がある。それは、力をため込んでいる時期ということにもなる。
そこを乗り越えた先に、急に視界が開けてくる、ステージアップがくる。

ちょっとやってみただけで、結果が出ないからとすぐにあきらめてしまっては、
宝の山に到達できないでしょう。

あきらめずにやり続けた人だけが宝の山に到達できるのです。
ひょっとしたら、それは自分が思い描いていたのとは、ちがう宝なのかもしれませんが、成長するとはそういうことなのです。