中学生の学習参考書の選び方

 今回は「間違いだらけの参考書選び」の中学生編ということで、学習参考書の正しい選び方についてお話ししていきたいと思います。
 表題のとおりで、実に多くの人が間違った参考書選びをしているのだ思います。
これが車選びだと、高額であるがゆえにああじゃやないこうじゃないと、時間をかけて選ぶでしょう。ですが、学習参考書となるとどうなるか。そもそも参考書選びを指南してくれる人がいるわけでもなく、かなり適当に選んでしまっているのではないでしょうか。
もちろん、塾や学校でこの参考書を買ってくださいと指定を受けているのでしたら、当然それにしたがうべきでしょう。
問題は自宅学習用に、学習参考書を購入する場合です。

特に新年度になったタイミングやそろそろ受験勉強を本格的に取り組もうというタイミングで、一度は参考書の購入を検討するはずです。

参考書は「使ってなんぼ」

 実は買った参考書が正しい選び方だったかどうかを判断する方法があります。

それは、1年経ってみたらわかります。
1年経って、その参考書が使い込んでいたのなら、それは正解ですし、表紙もきれいなままでぜんぜん使われていないのなら、それは正しい参考書の選び方をしていないということになります。その場合、本棚の肥やしか受験のお守りにしかなっていないということになります。もっと言えば、そもそも参考書は必要がないというケースもあります。

 つまり、参考書は「使ってなんぼ」であり、どんなにすぐれた参考書でも使われなければ、意味をなさないということになろうかと思います。

参考書は何となくイメージで選んでいる

 普通、参考書を買おうと思ったらどういう行動をとるでしょう。ネット検索でおすすめ参考書のレビューを見たり、本屋さんに行って並んでいる参考書を手にしたりして、どれにするか検討するでしょう。

多くの人はいろんな参考書を比較して何となくイメージで「これが良さそうだ」と決めることでしょう。
これではまず、失敗します。

なぜか?

それは、使い手がどういう使い方をするかを想定していないからです。このサイトを見ているのが保護者なら、ここでいう使い手とはもちろんお子さんのことですし、生徒諸君なら、あなた自身のことです。

 参考書は言わば、道具です。
大工さんが木を切るときにのこぎりは使っても、かなづちは使わないのと同じで、道具であるがゆえに、使う用途によって選ぶ参考書も変わってきます。

そこを理解していないと、ネットや書店に並んでいるのを見て、何となくこれが良さそうだと選んでしまいがちです。
学研なら学研、旺文社なら旺文社と、一つのメーカーで英・数・国・理・社の5教科を全部そろえるなんて言うのは最悪です。
見てくれは揃っていたほうがいいでしょうが、使い手不在の選び方と言わざるを得ません。

教科別でも参考書の用途は異なる

 そもそも、英・数・国・理・社の5教科それぞれによって、同じ「参考書」と名前はついても使う用途はずいぶん異なってきます。

中学学習参考書

 使う用途の違いについて、社会と数学で比較してみましょう。

 社会の参考書の用途としてはおもに、調べ学習をするときに威力を発揮します。問題集を解いていて、わからないところを調べたり、さらに深く掘り下げて知りたかったりする。そういう使い方で選ぶのなら、詳しい記述やこぼれ話のような面白い話が充実している参考書を選ぶのがベストでしょう。あるいは図解や写真が多くて見やすいのもいいです。

 これが数学の参考書となるとどうなるか。
 数学の場合は、社会のように調べ学習として使うのではなく、どちらかというと総合問題集のような使い方になってきます。問題集としての使い方を想定した場合、どの程度の難易度なのか、解説はわかりやすか、問題のボリュームはどうか、などの視点が重視されるべきです。

このように、同じ参考書と名前はついても、科目によって使う用途がぜんぜん違うのが参考書です。
さらに、使い手の学力や使う用途に合わせて選ぶべきであり、まずは使い手ありきです。

どの道具を選ぶかは、その道具で何をしたいのかを決めれば、自ずとベストな選び方ができます。

参考書の多様化

 最近の学習参考書はひところに比べて、とても多様化しています。できない人用に特化したものや英語の音声つきのもの、アニメがふんだんに入っていたり、ストーリー化したもの、ルーズリーフのようにノートにできるものまで、さまさまです。
 何も考えなしに、何となくネットサーフィンしたり、書店で選ぶとなると、ますますどの参考書を選んだら良いかわからなくなってしまうでしょう。

 そういうときこそ、まずは使い手がどういう使い方をしたいのかを、決めるところから始めてみてください。そうすれば、「これだ」というその人にとってのベストの1冊が見えてくると思います。

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