プログラミング教育が必修化

今回は小学校で2020年度からプログラミング教育が必修化されることについて、話をしてみたいと思います。
文科省は2019年3月26日に全国の小学校で2020年度から使われる教科書の検定結果を公表しており、その中で算数や理科の教科書に必修となるプログラミング学習が盛り込まれています。
これは、
「プログラミング」という独立した科目がスタートするのではなく、あくまでも算数や理科の一つの単元という位置づけではあります。
とはいえ、昨今のIT化の波に国が本腰を入れて動き出したことは、間違いのないことであり、むしろ遅すぎるくらいだと言えます。
意外かもしれませんが、
日本のパソコン普及率は先進国中でも最低に位置しています。
多くの国でIT化に国をあげて取り組んでいるのと比べて、大きく出遅れています。

プログラミング学習で何を学ぶのか

プログラミング学習をとおして何を学ぶかということについてですが、もちろんプログラミング言語を使って技術的な側面をまなぶことはあるかと思います。
「プログラミング」という言葉で何を連想するでしょう。
多くの人は、おそらくコンピューター関連の仕事くらいの認識だと思います。

ですがことの本質は、単にプログラミングを職業訓練的に学ぶことにあるのではありません。
IT化AI化が将来、加速度的に進む中で、好むと好まざるとにかかわらず、それらと身近にかかわっていくことは不可欠になってくるでしょう。
そうした意味でプログラミング学習をとおしてITの仕組みに慣れ親しむことは有意義なことなんだと思います。

IT化AI化社会でプログラミング学習は重要

中には「スマホが普及しているから、今さらパソコンは必要ないんじゃないか、ましてプログラミングなんて一部の人に任せておけばいいんじゃないか」という意見もあるかもしれません。
たしかにスマホという便利なものが出てきて、どこでも瞬時に情報を享受できるようになっています。情報の受け手としてはスマホで十分なのかもしれません。ですが情報を構築して発信する側、ビジネスとしてITにたずさわる側からしたら、まだまだパソコンは主役であり続けると思われます。
少なくとも
産業構造がドラスティックに変化していく中で、今の子供たち世代が大人になるころは、IT関連AI関連の仕事が、今以上に産業の中心的な役目を果たしていることは間違いありません。
そういう意味でプログラミング学習をとおして、そうした分野にスムーズに入っていける素地を作っておくことは大事なことかもしれません。

情報の享受と情報の発信は別もの

以前、保護者の方から「この子はゲームばかりやっていてゲームに興味があるからそいうった仕事についたらどうでしょう」と笑うに笑えない相談を受けたことがありました。
もちろん、ゲーマーという仕事が世の中に需要があってそういう才能があるのなら、それはアリなのかもしれません。ですが、単にゲームをすることと、ゲームをプログラミングしてつくることは全く違うスキルだと言えます。もっと言えば、プログラミングの仕組みを理解して、そこからどういうゲームコンセプトを作り出せるかを考えるということにつながっていきます。

ますますIT化AI化していく社会で、それを単に消費者として享受することと、ITを活かしてクリエイティブな仕事に携わるのは全く異なります
最初から与えられたゲームをするよりも、たとえ初歩の初歩でも自分でプログラムを書いて動作を確認することは、創造的な思考を養うという点では、とても重要なステップだと思われます。
小中学校の時にやったプログラミング学習が、将来的に仕事の場で活きてくることが十分に考えられるのです。

パソコンがある環境づくりを用意しよう

そこでひとつ提案ですが、もし、家庭にパソコンを使える環境がなかったとしたらそれをお子さんに用意してあげることをおすすめします。
ゲーム機を買ってあげるくらいなら、数倍いいです。ゲームは基本的には出来上がったサービスを受けるだけのものですから。
ですが、パソコンとなるとそれを使いこなすスキルがあるかないかによって、いかようにも変わってきます。
ただネットや動画配信をみたり、ゲーム機として使うのか、それこそプログラミング学習をしたり、よりクリエイティブな使い方をするのか、パソコンの使い方は様々です。

私の失敗談ですが、我が家では、かつて息子にお古のパソコンをあげたことがありました。
けれど、息子は何の興味も示さず、結局のところ粗大ごみになってしまいました。
これは反省点なのですが、パソコンはそれ自体は何かをする道具に過ぎないということです。道具だけ渡されても使う目的がなければ、意味をなさないわけです。
ですので、
「何のために」という目的をもってパソコンを使いこなすことが大事となってきます。

そういう点でプログラミング学習は、大きな可能性を秘めているのかもしれません。